e-ケア授業!

第五回e-ケア授業!

ケアプランとは?

日々、お仕事やお勉強ご苦労様です。                                          今回は前回(第4回e-ケア授業)の中に出てきたケアプランについて少し掘り下げてご紹介させていただきます。         ここでは、すでにケアマネをご経験されている方やケアマネを目指されている方など様々な方に再認識していただくことなどを目的とします。                                                    では実際、ケアプランとは?と質問されるとしっかり回答できる方は少ないのではないでしょうか。                  各事業所で専門学校でどこまで重要視されているでしょうか?                                 実はこのケアプランこそご利用者さんやご家族さんをいかに理解しそれをまとめ、各事業所に合うように1ケースごとに考え抜いたケアマネ業の集大成と言っても過言ではないです。                           そんなケアプランですが一体何なのか前回より深く授業していきます。                       

ケアプランとは?

在宅介護の場合も、施設介護の場合も、要介護または要支援の認定を受けると、介護保険を使ったサービスを利用することができます。                                              その際に介護状態の機能悪化防止や自立を促進するための計画(ケアプラン)を作成し、その計画に沿ってサービスを受けます。                                                          ケアプランは、一人ひとりの利用者がどのような介護サービスを受ければ自立した生活が送れるようになるかを考えて、介護サービスを組み合わせた計画書のことです。                  

ケアプランの作り方

ケアプランは、居宅介護支援事業者に依頼し、そこに所属する介護保険の専門家であるケアマネジャーに作成してもらうのが一般的です。                                                        ケアマネジャーへの報酬はすべて介護保険でまかなわれているため、ケアプラン作成による利用者の自己負担はありません。(2024年8月現在)                                               ケアプランを作成するために、ケアマネジャーは利用者の状態を把握して介護サービスを提供する事業者を選び、サービスを組み合わせてケアプランの原案を作成します。                                    そして、利用者と一緒に検討しながらケアプランを完成させます。

ケアプラン作成の流れ

1.利用者の状態把握

ケアマネジャーが利用者と面談し、状態の把握(アセスメント)を行います。利用者とその家族がどんな生活を望んでいるか、そのために必要なことは何か、何が障害になっているかなどの課題を明確にします。

ケアマネジャーは、このアセスメントを行う時に、個人的な判断による偏りを避けるため、厚生労働省が示した「課題分析標準項目」というチェック様式を通常は用いています。

2.必要な介護サービス内容をチェック

ケアマネジャーは、アセスメントをもとに必要な介護サービスを提供する各事業者に照会を行い、サービスの種類、内容、利用回数、時間、利用料金などをまとめ、ケアプランの原案を作成します。

3.利用者・家族に確認

ケアプランの原案ができたら、利用者と家族に説明し、希望に沿ったものになっているかを確認します。

問題がなければ、利用者と家族が同席のもとで介護サービス提供事業者の担当者と主治医などの関係者を集めた「サービス担当者会議」を開き、ケアプランを完成させます。

4.介護サービス事業者と契約

利用者がケアプランに同意してケアプランが確定したら、利用者が各サービス事業者と契約をしてサービスが開始されます。

5.ケアプランのチェックと見直し

ケアマネジャーは、サービス開始後も利用者宅に定期的に訪問します。さらにサービス事業者にも継続的に連絡を取り、提供するサービスに不都合がないかをチェックして、ケアプランが常に最適なものになるよう努めます。

ケアプランの内容で確認したいポイント

一度作成したケアプランは、常に見直しが必要です。                                          ケアマネジャーはそのために毎月1回以上利用者宅を訪問して面談を行い、各サービス事業者と連絡を取り合い、提供サービスが作成した計画の目標通りに実施されているか、またその内容が適切であるかを確認します。             この活動を「モニタリング」といい、モニタリングから新たな課題分析を行い、必要に応じてケアプランを新しく作り直します。

  • 療養上の不安が改善されるサービスが含まれているか
  • 困っていることを解決するための具体的なサービスがはいっているか
  • 利用者の自己負担額について
  • 介護サービス以外の福祉サービスなどの情報は必要に応じて入っているか

ケアプラン見直しにつながる具体的なケースは、例えば、リハビリテーションサービスを続けたことによって歩けるようになった、認知症の症状が出始めた、介護をしていた家族に事情が起こり介護の手が足りなくなったなど、利用者の状態や家族の介護力に変化が起こったときです。                                         また、サービスを実施してみたら、ケアプラン自体に過不足があることがわかり、サービスの内容や回数、時間などの変更が必要になることもあります。                                               利用者の状態の変化から要介護認定の区分変更を行い、介護度が変更された時は、それに伴いケアプランは必ず作り直されます。                                                            なお、一時的な理由でサービス利用の回数が週1回程度増減したときや、サービスの時間や曜日を変更したときは、「軽微な変更」となるので、ケアプラン自体に変更の必要はありません。

まとめ

ケアプランは、利用者が安心して質の高い生活を送るために、利用者、家族、サービス事業者、そしてケアマネジャーがひとつのチームとなって利用者を支えるときに必須の介護計画書です。                              それゆえにケアマネジャー主導でお任せのケアプランでも、利用者主導で専門性に欠けるケアプランでもいけないと思います。                                                          一人ひとりの状態や希望により、必要な介護サービスは違ってきます。いかにその人に合ったケアプラン、またそのバランスが取れたケアプランをつくるかが、在宅でよりよい介護が行われるための重要なポイントになります。

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